Vivobarefoot Primus Trail II FG レビュー
アウトドアや自転車のギアについて、他人の書いたブログやレビュー記事を見るたびになんとなくおじさん仕草を感じてしまい自分で筆を取ることを避けていた節がある。が、購入したものの良し悪しを客観的に考える点でも悪くないし何より言語化しておいて後で見返す方が次にモノを購入する際に指標になるなと思い返し、良い機会なので書いてみることにする。
Vivobarefootとは
一言で説明しにくいなーと思っていたら、Vivoアンバサダー/プロスラックライナー(スラックラインにプロとかあるんだ…)の大杉さんのページが一番わかりやすかったのでこちらを。
VISIONとして、"To Reconnect people and planet"を掲げるVivobarefootは、他のベアフット系メーカーと同じく裸足感覚を取り戻すための靴を提供するイギリスブランド(たぶん、初年度中間報告書より)。Altraやbedrock、ルナサンダル等々ベアフット最近増えてきてるし、その中の一つかなと思ってインスタを眺めていたが他のブランドと大きく違う訴求点が「足を鍛える必要がある」と公言することだ。
結構上述のベアフットシューズを売り買いする際、あるいはプロモーションの際には履いて運動すると足が自然本来の形に!みたいなことをPRされるが多々ある。Vivoに関してはそれだけではなく、「ある程度のトレーニングが伴わないと意味がない」とはっきりセールスが口にする点が好感を得た。と言いつつも実際に接客してくれたのが元々サークルズでバイトしてたときに出会ったノブさんであることが購入動機としては大きいが。何にせよ自らの体験をベースにする接客はアウトドアや家電などの販売ではとても説得力があるのでついつい前のめりになってしまう。VivoはToe-gaという母指球中心のトレーニングを推奨するようにしており、いきなり走らないでね〜と言われたので素直に従ってみた。毎日は続かない。
Primus Trail II FG
今回購入したプライマストレイルⅡ FGは、その名の通りトレイル向けファームグラウンドソール、ニットアッパーのシューズ。雰囲気としてはトレラン、スピードハイクに適しているだろうというところ。ガムソール調のルックスと最近では定番になったニットアッパーは意外と街中でも使えそう。実際、いきなりこれで長距離は歩いたり走ったりできないだろうということで3ヶ月くらい通勤に使用していた。
一応ヴィーガンシューズということで、動物性原材料不使用の設計になっている。もちろんレザータイプのシューズもあるのであくまで選択肢の一つであり、ヴィーガンを強調するものではない(日本マーケットにとってもそれが正解だと思う。USサイトなんかは結構強調してる)。使用後の靴の回収やリサイクルマテリアル由来の中敷など、サステナブルを意識している感じが20年代っぽい。
自分の足長は実測で約26.7cm、使用サイズはM43(28.2cm)。実測+1.7cm程度までを理想とするVivoのサイズ感からすると適当か。最初は問題ないかと思っていたが、歩き出すと次第に左足の外側、小指の第一関節が当たってしまい少し痛みがあった。右足は問題ないので左右の足の形の違いが歩き方の問題なのか、とりあえず通勤ではインソールを外して使用することに。
使用感とメリット/デメリット
まず履いてみての率直な感想は、「ソールが薄い(それはそう)」。Altra、bedrockは試着したことがあったけどより裸足に近い印象を受けた。前述の通り通勤使用時はインソールを外して慣らし運転をしていたが、それも相まって路面の凸凹や脚を下ろしたときの衝撃をダイレクトに感じた。ヒールストライクな歩き/走り方は流石に厳しいなと思わせるが、慣れると最初のインパクト程には衝撃を感じなくむしろ靴の中で指が広がり地面を捉える感覚を覚えてくる。これが結構個人的には癖になって、意味もなく指を広げることを意識して歩いてしまった。
先日、やっと山歩きの機会を得たのでここぞとばかりにプライムストレイルを履いて出掛けてみた。冬場だったのでなかなか使う機会に恵まれず、前述の通り3ヶ月くらいは通勤で慣らして、満を辞して小春日和となった低山へと向かった。
コースは11km/900up。距離も高低差もそこまで無く、岩場もないので試し履きには丁度いい環境である。と舐めて掛かっていたのだが、結論から言うとめちゃくちゃ疲れた。実際に外で履いて感じたのは次の3点
・使う筋肉が違う
これまでHOKA ONEONEのトレランシューズを履いていたので、ロッカー形状ソールとの如実な違いが出た。自分の足で地面を掴む感覚は楽しくも、普段だったら疲労しないであろう股関節周りの筋肉が疲れていた。脹脛は思ったより疲れていなかったのが意外。
・下り、特にランをする際の足運びが難しい
石の角を踏んだりすると足の裏がマジで痛い。ので、足運びはより慎重になる必要あり。結果として怪我のリスクも減るんだろうけど慣れるまではある程度スピードが落ちそうな印象。通勤のとき抜いていた中敷を入れておいて良かったなと感じた。
そして、今までのシューズだと割と無理なところに足をついても地面と足の間に厚めのソールが存在したのでギャップを吸収してくれていたが、それが皆無となるとよりシビアな足置きが求められるのでは?と感じた。アッパーがニットなだけに横剛性もそこまで強くない。ちゃんと着地して、ちゃんと蹴り出すことができないとランニングは辛いかもしれない。マニュアル車みたいなイメージ(違う)。
・砂が入る
これはアクティビティの場所や前述の足置きにも関連するので一概には言えないけど、結構踵側から石や砂が入ってしまった。今回はミドル丈のソックスだったけどソックスの問題では無く、着地点やら足捌きで改善できるのかが今後の課題。
メリット/デメリットは他にもありそうだけど、まず1日山を歩いた感じとしてはこんなところ。今後もうちょいToe-gaちゃんとやって足鍛えられたらだいぶ変わるのだろうか。要検証。あと、Vivo履いてる人が皆靴のサイズが上がったとか指が伸びたとか仰っててそれは困るなあ…と思っている。実際帰宅してスニーカー履いたときの窮屈さったらあったもんじゃない。これもトレードオフ、履き始めたらVivoシューズがどんどん増えていくというのも納得か。
おわりに
最初欲しかったのはRaⅡなのだけどいつも品切れで買えず、さらには再入荷のお知らせを一度スルーし、今回の春夏モデルリリースのタイミングで購入した。流石にガムソールな見た目でスーツ通勤はちょっと辛い。もたもたしてたら少し値上がりしてしまったけど、欲しいものをすぐ買わない自分への戒めとして…
我が食品業界以外にも到達している値上げの波、いつ趣味のモノに被ってくるかわからないから欲しいものを欲しいときに買おう。
ピンボケ。